仙台不動明王
仙台不動明王
仙台不動明王とは?

仙台不動明王は真言密教の根本仏である大日如来の化身です。
仙台不動明王はお不動さまと呼ばれ広く親しまれている仏さまです。火炎を背負い鬼のような怖い顔をしていますが、大変に優しい仏さまです。観音菩薩様の優しさを母親の慈悲のように例えるならば、不動明王の優しさは父親のような優しさと言えるでしょう。私たちが一心に仙台不動明王へお祈りすると、何人たりとも救わずにはおかないとする大慈悲の心によって、ご霊験ご利益を受けすることができるのです。仙台不動明王は、真言密教の根本仏である大日如来の化身です。
私たちの煩悩や色々な迷いを鎮め、さまざまな障り・災難を払うために恐ろしい姿をされております。また、どんな所へでも出向き、すべての人を救済するため、
仙台不動明王の右手には、悟りを開くための智慧を表す利剣を持ち、心のあらゆる迷いを断ち切ります。
左手には、
不動十九観(不動明王のお姿)
- 此の尊は大日の化身なり
- 明(みょう)の中に阿・路・喚・蔓(ア・ロ・カン・マン)の四字あり
- 常に火生三昧に住する
- 童子形を現じ、身、卑しくて肥満せり
- 頂きに七莎髷あり(登頂に七つの髷がある)
- 左に一弁髪を垂る>
- 額に皺文あり、形、水波のごとし
- 左の一目を閉じ、右の一目を開く
- 下歯、上の右唇噛み、下の左唇、外へ翻出す
- その口を緘閉(かんぺい)す
- 右手に剣を執る
- 左手に索(なわ)を持つ
- 行人の残食を喫す
- 大盤石に安坐す
- 色醜くして青黒なり
- 奮迅憤怒す
- 偏身に迦楼羅炎(かるらえん)あり
- 変じて倶利伽羅(くりから)龍王と成り、剣に纏(まつ)わる
- 変じて二童子と作(な)り、給仕す
仙台不動明王の奴僕の行と童子形ということで、伊達政宗が思い出されます。NHKの大河ドラマ「独眼竜政宗」の中で、少年政宗(梵天丸)が仙台不動明王の前で発した「梵天丸も、かくありたい」という言葉が、大変話題になりました。薄暗いお堂の中で
仙台不動明王の19のお姿、妙相を観想するのが「19観」です。
少年政宗の話しには「19観」の第8も関連しているように思われます。
それは、左の目を閉じ、右の目を開くというものです。
病気で片方の目をなくして失意にあった政宗少年はこの時、一国の主として、自分の姿などどうあれ、悪に立ち向かい、すべての人々にやさしく尽くしていく不動明王のような人間になりたいと決意したのでした。
童顔の少年が、けなげにも、崇高な目標を決意したあのシーンは、感動的でした。
また『享保名物帳』には「大倶利伽羅広光」という倶利伽羅(くりから)の名が入った刀が記載されています。不動明王の倶利伽羅剣に影響を受けていると思われる大きな倶利伽羅龍が刀の指裏に刻まれたデザインです。徳川家から褒美として伊達政宗に授けられた刀だという史実もあり名刀として知られている日本刀です。剣に巻き付いている竜は「倶利伽羅竜王」といい、倶利伽羅剣とともに不動明王本人の化身ともされています。不動明王が背負っている火炎は倶利伽羅竜王です。
![]() 不動明王御尊像 |
不動明王のお姿 |
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不動明王は真っ黒なお姿をしている | |
不動明王はひどく怒っている | |
① 左の手にはどんな人でも仏の教えに引き入れるための索(なわ)を持っている | |
② 右の手にはあやまった行いや煩悩を断ち切るための利剣を持っている | |
③ 岩の上に座っている | |
④世界を焼き尽くす程の猛火を背負っている |
不動尊と言えば、成田山と言われ今日まで霊験あらたかな仏さまとして、崇められて来ました。自分より他者を思いやる優しい心を持ち、実に他者中心性の極みです。仙台不動明王は大日如来の化身で、36童子を従えています。36童子は、不動尊の手足となって実務をなされます。
- 仏教の持つ能力に対する民衆の期待が原動力となって厄除けとか病気の平癒とか言ったなまなましい現世のご利益を願って人々はいつも仏教に関心を寄せてきました。
- 具体的な実益をもたらす力があった為苦しみや悲しみにさいなまれる一般大衆が頼らない訳がありません。
- 災いを除いて幸福な生活を実現してくれるという実利的な現世利益を伴う所に、不動明王信仰を深め人間の自然の状態を否認するのではなくむしろ、それを土台にして向上を教え要求を満たす。
- それが、仙台不動明王の導きの本質です。
- そして何より、仙台不動明王は根本聖典真言密教の仏さまであります。
仙台不動明王の特徴
- 仙台不動明王は、頭髪を左肩に束ねて垂れ、両眼を大きく見開き、口を真一文字に閉じているのと、左眼を閉じ、口を斜めに咬みしめ、しかめた顔を示すものとがあります。
- 仙台不動明王は五大明王の主尊。堅固で不動の菩提心の威力によって悪魔や全ての押さえを静めるといい如来の使者として真言行者の護持にあたります。
- 不動明王で有名なのは、千葉の成田山新勝寺、京都の教王護国寺(東寺)、高野山の南院と明王院、金剛峯寺、東京の滝泉寺などです。
仙台不動明王の主なご利益
仏の教えを聞かない者、反抗する者に対して、顔では怒りながら心で慈悲を表しており、悪と迷いを断ち、すべての災厄を打ち砕いて願いを叶えてくれます。
お不動さまを心に念じ御霊験加護を祈る場合下記の「不動明王御真言」「不動明王御宝号」を読誦します。
- 不動明王御真言(祈るところ必ず霊験あり)
- 「のーまく さんまんだー ばーざらだん せんだー まーかろしゃーだー そわたや うんたらたー かんまん」
訳:忿怒の形相をされている不動明王様 私の迷いを打ち砕いてください。目の前の障害を取り除いてください 私の胸にある願いをかなえてください。 - 不動明王御宝号
- 南無大日大聖不動明王
御真言は、仏さまが説かれた真理を表す言葉ということで、翻訳されることなく、そのまま伝えられました。中国からわが国に密教を伝え、真言密教の開祖弘法大師空海は、「真言というものは不思議である。本尊を観想しながら唱えれば、根源的な無知の闇は除かれる。わずか一字のなかに千の道理が含まれ、それによって、この身のままに、真理を悟ることができる。」と述べられています。不動明王身代わりお守り 御真言は、不思議な力をもつ、その一字一字に仏さまの計り知れない智慧がこめられているから、御真言を唱えることで不安な気持ちが解消され、心の迷いも晴れる、という訳です。不動明王御真言は、お不動さまにお願い事の成就を祈る言葉です。
不動明王のご利益で有名な話として大工辰五郎の話があります。
保2年(1831)成田山仁王門の上棟式の日、神田の大工辰五郎は、木組みの上層、10メートル以上さからあやまって落ちてしまいました。ところが彼は傷ひとつなく立ち上がりました。みると、この工事の職人に渡されていた木の鑑札(身分証明書のようなもの)が割れていました。この木札には、表に職が記され、裏面には成田山の焼印が捺されていました。この奇跡は不動明王のご加護だと信じられ、その鑑札と同型の木札が、お守りとして人々に広まっていったのです。これが成田山の身代わりお守りです。
仙台不動明王の御朱印
御朱印とは
御朱印とは、もともと参拝者が、その寺院に写経を納め、その証として印をいただいたのが始まりとされています。印を押し、その下に墨書で寺社名や参拝日などが書かれています。これは、「御朱印帳」とよばれるジャバラ状になったノートのようなものに押しているのです。近頃では修学旅行生や外国人観光客も集めているといわれる御朱印です。
しかし、又一方で「極楽浄土に赴く際の手形になる」「自分が死んだときには、自分が集めていた御朱印を棺に入れて欲しい」などスタンプラリーと違って信仰と結びついています。
ですから御朱印をいただくときは、
- 納経(写経を納める)
- 御本尊様への読経(経典の音読)
- 御本尊様への看経(経典の黙読)
などを行ってから御朱印をいただくことが大切です。また、そのような時間的、精神的な余裕があるときに参拝していただければと思うのです。
お不動さまのご朱印をいただく場合、ご本尊さまにあった経典を開かれるのがよいと思います。
「般若心経」や「仏説経不動経」「不動明王御真言」などまつわるお経がたくさんあります。
そのようなお経のなかからご自分のできる範囲で納経・読経・看経などを行い不動様のご朱印をいただいてください。




不動明王の家来
毎日毎時刻、衆生(私達)のために働いているお不動さまです。そのため、不動明王を助けてくれる家来がいます。
家来という言葉は適切ではないですが、
不動明王の眷属は八大童子といいます。童子といわれているから幼い子の顔を模していることが多いです。
不動明王の両脇にいらっしゃるのが
それ以外の残り六名は、慧光、慧喜、
この他に三十六童子がいるのです。
仙台分院の屋上仙台不動明王大仏の体内に三十六童子を以前安置しておりましたが、現在はそこから本堂内ご本尊脇に移られましたので参拝の際は是非お参りください。
また、童子の御経もあり、成田山では特に読み上げさせていただいております。
「南無三十六童子」「聖無動の眷属」「南無八大童子」


仙台不動明王のお経
ご本尊はその神社仏閣によりさまざまですが、成田山といえばご本尊は不動明王です。
お経では「般若心経」など一般的に知られています。
色々なご本尊がいらっしゃいますので、そのご本尊に合ったお経があります。
では、お不動さまの場合はどのようなものがあるのでしょうか。
不動明王のお経は様々あります。
「聖無動尊大威怒王秘密陀羅尼経」「不動尊劔の文」 「不動尊祈り経」 「不動明王利益和讃」 そのなかでも、成田山でも主に読経されているもので直接お不動さまにまつわるものがあります。
それが「
『その時に大会にひとりの明王あり
この大明王は大威力あり
大悲の徳の故に青黒の形を現じ
大定の徳のゆえに
金剛石に座し
大智慧の故に大火焔を現じ
大智の剣を執って貧瞋癡を害し
三昧の縄をもて難伏の者を縛す
無相法身虚空と同体なれば
その住処なしただ衆生心想の内に住したまう
衆生の意想各々不同なれば衆生の意に従って
しかも利益を成し
もとむる所円満せしたもう
その時に大会にこの経を説きたまえることを聞き
皆大いに歓喜し信受奉行しき
仏説聖不動』
これは不動明王が誓願をあらわしたものです。
わたし(不動明王)は衆生(私達)をこのように救いますという誓いを表しています。
仙台分院の不動明王大仏(お不動さま)の御宝前でもお読み上げさせていただいております。
護摩祈祷と仙台不動明王

お加持を修行するときには、多くの場合ご本尊として不動明王がお祀りされます。そのわけは不動明王のお姿に表されている尊いご精神にあります。不動明王の厳しいお姿は煩悩多く強情な衆生を救済するため、大日如来が現された忿怒形であります。その不動明王は背中に火炎を背負っておられます。
仙台不動明王信仰者の実践行 「私たちの誓い」
「私たちの誓い」は不動明王信仰者が、お不動さまの御教えをいただいて、日々の生活を充実したものにし、さらには心豊かな社会づくりに寄与するための実践すべき7ケ条です。
奴僕 の行・・・明るい笑顔で奉仕のはげみ
ご本尊様の奴僕の行にしたがい、すべての人びとに奉仕いたします。
すべての人びとを苦しみの世界から救い導こうとするお不動様のご誓願にならって私たちも人びとの幸せのために献身的に奉仕いたしましょう羂索 のおさとし・・・まごころこめて助け合い
ご本尊様の頴索のおさとしにより、つくし合いの生活をおくります。
お不動様が慈悲の心ですべての人々を救い導いてくださるように私たちも互いに協力し、助け合おうとする気持ちを育みましょう- 磐石の決意・・・苦難に耐えれば開ける希望
ご本尊様の磐石の決意をもって、あらゆる苦難に耐えしのびます。
生きとし生けるものを救おうとしてやまないお不動様の堅固な御心にならって人びとの幸福のためにいかなる苦難にも力強く耐え抜きましょう - 燃えさかる火炎・・・精進努力に豊かな実り
ご本尊禄の燃えさかる火炎のように、ひたすら精進努力いたします。
一瞬たりとも弱まることなく燃え続けているお不動様の大火炎のように心の迷いに惑わされずに日々、精進努力いたしましょう - ゆるぎなき御心・・・常に冷静不動の心
ご本尊様のゆるぎなき御心を体し、精神の統一につとめます。
お不動様の堅固不動なる御心のように、どのようなときでも心が乱れない不動心の体得に向けて、精神修養に励みましょう - 利剣の智慧・・・正しい判断さとりのめざめ
ご本尊様の利剣(りけん)の智慧をもって正しく判断し、真実の自己に目覚めます。
お不動様が右手にお持ちになっている利剣が示すさとりの智慧の体得につとめ、本来の自分自身のあり方に目覚めましょう - 加持力・・・いただく御利益みんなと共に
ご本尊様の加持力をいただき、平等の利益にあずかることを祈念いたします。
お不動様が私たちを救わんとして差し伸べる救いの御手を感じ取り自分だけでなく周囲の人と一緒にありがたいご利益にあずかりましょう
不動明王信仰の歴史
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電話番号:022–225–8640
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